5月、浪人生にとって最も険しい季節
5月のゴールデンウィークが明けると、受験生の間には独特の焦りが広がる。友人たちが大学生活を満喫し始める季節に、もう一年をかけて勉強し続ける浪人生にとって、この時期は精神的にも体力的にも試練の連続だ。
新緑が眩しい文京区の街並みも、受験参考書を抱えて歩く身には少し遠く感じる。周囲の変化とは無関係に、自分だけのペースで勉強し続けなければならない。そんな孤独な戦いの中で、「どこで勉強するか」という問いは、想像以上に重要な意味を持つ。
今回紹介するのは、18歳の浪人生・Aさんの話だ。塾に通わずに独学で受験に挑む彼が、自習室KAKOIを体験し入会を決めるまでの経緯を追った。
塾なし浪人、自宅での限界
Aさんは今年の春から浪人生活を始めた。現役時代に志望校への合格を果たせず、もう一年かけて再挑戦することを決意した18歳だ。
多くの浪人生が予備校に通う中、Aさんは費用面などを考慮し、塾には通わない道を選んだ。市販の参考書と問題集を揃え、自分でカリキュラムを組む、いわゆる「宅浪」のスタイルだ。計画の自由度は高い一方で、自己管理のすべてが自分にかかってくる。
最初の数週間は自宅の机に向かって勉強していた。しかし、すぐに壁にぶつかった。
塾には通っていないので、自宅以外で集中できる場所が欲しかったんです。自宅だとどうしても気が散ってしまって。
18歳・浪人生 Aさん
問題の根本は明確だった。スマートフォンだ。勉強中につい手が伸びてしまう。通知が来るたびに意識が途切れる。「5分だけ」と開いたSNSが30分になり、気づけば午後がまるごと消えていた——そんな日が続いた。
参考書は揃っている。やる気もある。でも集中できる環境がない。勉強の質を上げるために、Aさんが求めたのは「外の場所」だった。
「携帯なしで入れる自習室」という条件
Aさんが自習室を探し始めたのは5月の連休明け頃。検索ワードはシンプルだった。「文京区 自習室」——地元の駅近くで、毎日通えるところを探していた。
いくつかの候補の中で、自習室KAKOIの文京シビックセンター前店のページにたどり着いた。そこで目を引いたのが、スマートフォンの持ち込みに関するルールだった。
携帯なしで入室できる自習室に通いたい、とずっと思っていたんです。自分の意志だけでスマホを我慢するのはもう無理だとわかっていたので。
18歳・浪人生 Aさん
自習室を選ぶ条件は、多くの利用者にとって「静かさ」や「アクセスの良さ」が上位に来る。しかしAさんにとって最優先事項は「スマホから物理的に切り離してくれる環境」だった。
意志の力に頼るのではなく、仕組みで解決する。それがAさんの出した答えだった。
また、Aさんには体が冷えやすいという悩みもあった。長時間座って勉強していると足元から冷えてくる。「毛布があると嬉しい」という言葉には、毎日長時間勉強に向き合おうとする覚悟が滲んでいた。
無料体験から入会へ、感じた変化
5月下旬、Aさんは文京シビックセンター前店の無料体験に申し込んだ。本郷三丁目駅からほど近いその店舗は、落ち着いた文教地区の雰囲気に溶け込むように建つ。
半個室の席に座り、スマートフォンをロッカーに預けた瞬間——Aさんは「あ、これだ」と感じたという。左右にパーテーションがあり、隣の席の動きが視界に入らない。周囲もそれぞれの勉強に集中しており、無駄な会話は一切ない。
自宅の机とは、空気が違った。スマホがないというただそれだけのことが、こんなにも頭の中を静かにするのか、と驚いた。気づけば2時間以上、一度も席を立たずに参考書と向き合っていた。
体験を終えてその日のうちに、月額プランへの入会を決めた。
同様の悩みを抱えて自習室を探す利用者はほかにもいる。後楽園駅前店を利用する39歳の会社員・Bさん(女性)は、専門学校の資格勉強のために入会した方だ。
専門学校の自習室が使えない時間帯に利用して、自宅でサボってしまう時間を減らしたかった。
39歳・会社員 Bさん
「自宅でサボってしまう」という悩みは、Aさんと重なる部分がある。年齢も職業も異なるが、「自分だけでは守れない集中時間を、場所の力で補いたい」という本質は同じだ。自習室が提供するのは席だけでなく、「勉強するしかない状況」そのものなのかもしれない。
スマホなし、毎日通う新しい習慣
入会後、Aさんは平日は毎日KAKOIに通うようになった。午前中から席に着き、昼をはさんで夕方まで勉強するのが基本のリズムだ。自宅から最寄りの本郷三丁目駅まで出れば、すぐに自習室に入れる立地の良さも続けやすさにつながっている。
スマートフォンをロッカーに入れることが、今では一種のルーティンになった。「預ける」という行為が、勉強モードへの切り替えスイッチになっているのだという。
かつて自宅では30分も集中できなかったのに、KAKOIでは3〜4時間ノンストップで勉強できるようになった。もちろん最初からうまくいったわけではない。最初の1週間は、スマホがないことへの不安や手持ち無沙汰な感覚もあった。しかし2週間も経てば、その感覚は薄れていった。
浪人生活において、勉強の「量」だけでなく「質」を上げることが合否を分ける。同じ1時間でも、スマホを見ながら気散りに過ごす1時間と、集中して向き合う1時間では、頭に残るものがまるで違う。Aさんはその差を、毎日の学習で実感するようになった。
- スマートフォンをロッカーに預けて入室できる
- 半個室で左右の視線が気にならない
- 本郷三丁目駅からすぐの立地
- 月額プランで毎日通いやすい料金体系
5月から本格的に通い始めたAさんには、来春の入試本番まで約9〜10ヶ月という時間がある。長いようで、あっという間に過ぎる時間だ。夏の暑さも、秋の模試ラッシュも、冬の追い込みも、すべてこの席で迎えることになる。
「ここにくれば勉強できる」という確信を、Aさんはすでに手にしている。それは小さいようで、浪人という孤独な戦いにおいては、とても大きな武器だ。
環境を変えることは、自分を変えることの第一歩だ。意志の強さに頼るのではなく、集中できる仕組みを整える——その選択が、Aさんの受験の行方を変えるかもしれない。

