38歳事務職が挑む社労士試験

38歳事務職が挑む社労士試験 | 自習室KAKOI
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5月、資格試験の季節がやってくる

ゴールデンウィークが明けると、街の空気が少し変わる。半袖を着はじめた人が増え、夕方でも明るい空が続く5月。受験生にとっては夏の模試を意識しはじめる頃で、社会人にとっては秋に向けた資格試験の「ラストスパート前夜」にあたる季節だ。

社会保険労務士(社労士)の国家試験は、毎年8月の第4日曜日に実施される。残り3ヶ月を切るこの時期、「本腰を入れなければ」と感じながらも、なかなか勉強の場所と時間を確保できない、そんな社会人は多い。

今回紹介するAさん(38歳・事務職)も、つい最近まで同じ悩みを抱えていた一人だ。試験まで残り数ヶ月という今、彼女はどのように学習習慣を手に入れたのか。その経緯を聞いた。


「今年こそ合格したい」——38歳の挑戦

Aさんが社労士資格を目指したのは、職場でのキャリアアップを意識したからだという。事務の仕事を長年こなしてきた中で、労務や社会保険の知識を体系的に身につけたいという気持ちが積み重なり、「どうせ勉強するなら国家資格を取ろう」と決意した。

ただし、勉強時間の確保は最初から課題だった。平日は仕事があり、帰宅後は食事や家事でエネルギーを消耗する。週末は自由な時間があるものの、「さあ勉強しよう」と思ってもなぜか手が動かない日が続いた。

参考書は買った。スケジュールも立てた。それでも勉強が続かないのは、場所の問題が大きかったとAさんは振り返る。

カフェは「場所取り合戦」だった

最初に試みたのは近所のカフェだった。コーヒーを注文して席を確保し、テキストを広げる——そのはずだったが、現実はなかなか思い通りにいかなかった。

カフェの席取りが大変で。週末の午前中は特に混んでいて、ゆっくり勉強できる席がなかなか確保できないんです。席が空いていても隣の会話が気になったり、音楽が頭に入ってきたりして、集中できたと言えるのかよくわからない日もありました。

Aさん・38歳・事務職

週に何度か試みるうち、「カフェに行くこと自体がストレスになっていた」とAさんは苦笑いする。500円のコーヒー代を払って、30分席を待って、ようやく座れたと思ったら2時間で閉店時間——。それでは試験対策の密度が上がるはずもない。

自宅での勉強も試みた。しかしAさん自身、「自宅は休む場所」という感覚が染みついていて、テキストを開いても気づくとスマホを手に取っていたり、テレビをつけてしまったりと、集中が持続しなかった。


自習室という選択肢、後楽園駅前で見つけた環境

転機は「自宅から近い自習室」をインターネットで検索したことだった。いくつかのページを見ていた中で、自習室KAKOIの後楽園駅前店が目に止まった。

決め手になったのは、大きく二つ。自宅から近いことと、フリードリンクが使えることだった。カフェでは1杯注文するたびに出費が重なっていたが、フリードリンクがあれば長時間滞在しても気兼ねなく作業に集中できる。

入会後、Aさんは利用スケジュールを明確に設定した。

  • 平日:仕事の前後に各1時間(合計2時間)
  • 土曜日:5時間集中して学習
  • 日曜日:5時間集中して学習

週あたりの学習時間は最大で20時間。もちろん毎週そのペースを維持できるわけではないが、「場所が決まっている」というだけで行動のハードルが大幅に下がったとAさんは言う。

場所が決まると、不思議とそこに向かう気持ちになれるんですよね。仕事終わりに「今日は疲れたからいいか」と思う日もあるんですけど、駅を出たら自習室の方向に足が向いているんです。習慣って、環境で作るものなんだと実感しています。

Aさん・38歳・事務職

変わったのは時間だけじゃなかった

自習室を使い始めてAさんが感じた最大の変化は、「勉強の密度」が変わったことだ。カフェで過ごす2時間と、自習室で過ごす2時間では、体感的な集中度がまるで違うという。

自習室は静寂が守られている。スマートフォンの通知音、隣席の雑談、BGM——そういったものが一切ない空間で、テキストや問題集と向き合うと、「頭の使い方が変わる」感覚があるとAさんは話す。

社労士の試験範囲は広い。労働基準法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法……と複数の法令をまたいで理解を深める必要があり、断片的に読んでいても頭に入らない。まとまった集中時間が不可欠な試験だからこそ、環境の質が結果に直結する。

また、Aさんが気に入っているもう一つのポイントが「当日の席」の問題だ。

自習室KAKOIには、混雑時に当日席が埋まっている可能性があることへの懸念もあった。しかし実際に使い始めると、平日の朝や仕事終わりの時間帯は席に余裕があり、週末もスポット的に利用できる柔軟さを感じているという。「いざ来たら満席だった、という経験は今のところない」とAさんは言う。

フリードリンクについても、思っていた以上にモチベーション維持に貢献していると話す。温かいコーヒーを手元に置いて、1時間集中する——それだけのことが、「よし、もう少し頑張ろう」という気持ちにつながる。

同じ悩みを持つ人たちのいる場所

自習室には、社会人の受験生が少なくない。Aさんと似たような年代で、テキストや過去問を広げて黙々と学ぶ人たちの姿を見ると、「自分だけじゃないんだ」という感覚があると話す。

同じ自習室KAKOIに通う別の利用者の話を聞くと、それは頷けるエピソードだ。35歳の会社員のBさん(男性)は、6月末の資格試験合格を目標に本郷三丁目駅前店に通い始めた一人。「集中できる環境がない」という悩みを抱えて体験利用に訪れた彼は、入会を決め、今も毎日PCを持ち込んで学習に取り組んでいる。

「周囲の雑音がなく、集中できる環境を求めていた」と語る41歳会社員のCさん(男性・本郷三丁目駅前店)もその一人だ。Cさんは転職前の休暇期間を使って集中的に学習するため入会したが、「電車かバスで通える場所がいい」という条件を満たしていたことが決め手だったという。

社会人が資格勉強のために自習室を選ぶ理由は、静かさや立地だけではなく、「ここに来れば勉強できる」という心理的なスイッチの役割も大きいようだ。


試験本番まで、今できることをやり続ける

取材時点でAさんの社労士試験本番まで、残り3ヶ月余り。5月の学習では、過去問の周回と苦手法令の精読を中心に進めているという。

「完璧に仕上がった状態で試験に臨めるかどうかはわからない」と正直に話すAさんだが、以前と大きく変わったことがある。「今日も行こう」と思える場所ができたことだ。

カフェの席取りに翻弄されていた頃と比べると、勉強にかけられる実質的な時間は確実に増えている。仕事前の1時間は、特に集中力が高い状態で問題を解けることに気づいてから、Aさんは朝の時間を特に大切にしている。

「まだ合格できていないので声を大にしては言えないんですが」と笑いながらも、Aさんはこう続けた。

同じような状況の人——仕事しながら資格の勉強をしたいけど、場所がなくて続かない——という人には、一度試してみてほしいです。カフェとは全然違う。座った瞬間から「勉強モード」になれるんです。

Aさん・38歳・事務職

5月の長い夕暮れの中、仕事帰りに自習室へ向かう背中。その積み重ねが、8月の試験当日につながっていく。

「場所を決める」——たったそれだけのことが、学習習慣を根本から変えることがある。Aさんの話は、忙しい社会人が「続く勉強」を手に入れるためのヒントを、静かに教えてくれている。

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この記事を書いた人

松尾 大造のアバター 松尾 大造 代表取締役

インプラス株式会社 代表取締役。自習室KAKOI(かこい)創業者。

大学受験を志す娘の保護者としての経験と、従来の自習室に対する課題意識から自習室KAKOIを創設。文京区を中心に7店舗を展開し、月間1,000人以上の方に利用される学習空間を提供しています。

全店舗の半個室ブース設計、利用プラン、経営戦略のすべてを手掛けており、「学習効果を最大化する環境」の実現に情熱を注いでいます。

利用者の安心安全を最優先し、デスク単位の防犯カメラ設置やデジタルキーによるアクセス管理を業界に先駆けて導入・運用しています。

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