「稼げる資格」が欲しい。でも、どれくらい勉強すればいいの?
SNSなどでよく見かける「持ってれば稼げる資格リスト」。
非常に魅力的なラインナップですが、一番重要なことが書かれていません。
それは、「取得にかかる時間(コスト)」です。
今回は、話題の「稼げる資格50選」のリストをもとに、一般的に必要とされる勉強時間を調査し、「勉強時間が短い順(=取り組みやすい順)」に並べ替えました。
あなたの確保できる時間と相談しながら、現実的なターゲットを見定めてください。
【レベル別】稼げる資格 勉強時間ランキング
※勉強時間は一般的な初学者を想定した目安です。実務経験や前提知識により大きく前後します。
Level 1:まずはここから(目安:50〜300時間)
働きながらでも、数ヶ月の短期集中で取得が狙えるゾーンです。
IT系や専門特化型の資格が多くランクインしています。
| 資格名 | 目安時間 |
|---|---|
| 衛生管理者 | 50〜100時間 |
| ボイラー技士(2級想定) | 50〜100時間 |
| 危険物取扱者甲種 | 80〜150時間 |
| AWS認定ソリューションアーキテクト(Associate) | 100〜150時間 |
| 登録販売者 | 150〜200時間 |
| Pythonエンジニア認定資格 | 100〜200時間 |
| 貿易実務検定(B級以上) | 150〜250時間 |
| Microsoft認定資格 (Azure系) | 100〜300時間 |
Level 2:キャリアアップの標準(目安:300〜800時間)
半年〜1年程度の学習期間が必要です。「宅建」などの人気資格や、高度情報処理技術者試験がここに含まれます。
| 資格名 | 目安時間 |
|---|---|
| 宅地建物取引士(宅建) | 300〜500時間 |
| 管理業務主任者(リスト外だが関連として) | 300〜400時間 |
| 応用情報技術者 | 500時間 |
| 情報処理安全確保支援士 | 500〜800時間 |
| ネットワークスペシャリスト | 500〜800時間 |
| プロジェクトマネージャー | 500〜800時間 |
| 電気工事士(一種) | 500時間前後 |
| 通関士 | 500〜800時間 |
| 日商簿記1級 | 600〜800時間 |
| キャリアコンサルタント | 300〜500時間 |
Level 3:難関・業務独占への道(目安:800〜1,500時間)
ここからは「人生を変える」レベルの資格です。1日3時間の勉強を1年間毎日続けて到達できる領域です。
| 資格名 | 目安時間 |
|---|---|
| 社会保険労務士(社労士) | 800〜1,000時間 |
| 中小企業診断士 | 1,000時間 |
| 米国公認会計士(USCPA) | 1,000〜1,500時間 |
| 気象予報士 | 1,000時間〜 |
| 一級建築士 | 1,000〜1,500時間 |
| 電気主任技術者(電験三種) | 1,000時間〜 |
| TOEIC 900点以上 | 現状によるが1,000h目安 |
Level 4:超難関・国家資格の頂点(目安:2,000時間〜)
数年単位の学習が必要な、まさに「プロフェッショナル」の領域。家での片手間勉強では到達不可能なレベルです。
| 資格名 | 目安時間 |
|---|---|
| 税理士 | 2,500〜3,000時間 |
| 公認会計士 | 3,000〜4,000時間 |
| 司法書士 | 3,000時間 |
| 不動産鑑定士 | 2,000〜3,000時間 |
| 弁理士 | 3,000時間 |
| 弁護士(司法試験) | 3,000〜8,000時間 |
※医師、歯科医師、薬剤師などの医療系資格は大学教育(6年間など)が前提となるため、このランキングからは除外していますが、学習総量はLevel 4以上です。
3,000時間を「家」で確保できますか?
ランキングを見て、どう感じましたか?
「稼げる資格」と言われるものの多くは、Level 3(1,000時間)以上の学習量を要求してきます。
1,000時間とは、「毎日3時間の勉強を、1日も休まず1年間続けて」ようやく到達する数字です。
3,000時間なら、それを3年です。
働きながら難関資格に合格する人は、「意志が強い」のではありません。
「家に帰らず、勉強せざるを得ない場所に毎日寄る」というルーティンを持っているだけです。
家にはテレビ、スマホ、ベッド、家族の生活音という「構造的な妨害」があります。
もしあなたが本気で人生を変える資格(Level 3以上)を狙うなら、まずは「3,000時間を積み上げられる場所」を確保することから始めてください。

