自習室KAKOI(かこい)は、文京区を中心に展開する「大人のための集中空間」です。
なぜ、あえてコストのかかる「半個室」や「高級チェア」を導入したのか?なぜ「デスク単位」の防犯カメラが必要なのか?
創業者の松尾大造に、KAKOI立ち上げの裏側にある「保護者としての視点」と「学習環境への譲れない想い」を聞きました。
1. 創業の経緯:親として感じた「古い自習室」への疑問
インタビュアー(以下、飯島):
まずは、自習室KAKOIを立ち上げたきっかけを教えてください。
創業者 松尾(以下、松尾):
きっかけは、私自身の娘が受験生だった頃の実体験です。
当時、娘のために学習場所を探したのですが、既存の自習室は「ただ机が並んでいるだけ」の古いスタイルのまま進化しておらず、正直なところ「ここで本当に集中できるのか?」と疑問を感じました。
松尾:
「娘に、もっと快適で集中できる環境を用意してあげたい」
そんな保護者としての目線と、既存サービスへの課題感がKAKOIの原点です。
2. KAKOIの強み:没入感を高める「半個室」と「イトーキ製チェア」
飯島:
具体的に、従来の自習室とは何を変えたのでしょうか?
松尾:
最大の違いは「高い壁で仕切られた半個室ブース」と「疲れにくい椅子」です。
オープンスペースが主流の自習室では、どうしても他人の視線や動きが気になってしまいます。KAKOIでは視線を遮る高い壁とカーテンを設置し、自分だけの空間に没入できるようにしました。
松尾:
また、長時間座り続ける受験生や社会人にとって、椅子は命です。
コストはかかりますが、KAKOIではイトーキ製の高機能チェアを採用しています。身体への負担が段違いに減りますので、ぜひ一度座ってみてほしいですね。
3. エリア戦略:なぜ「文京区」で多店舗展開するのか?
飯島:
現在、文京区を中心にドミナント展開(集中出店)されていますが、これには理由があるのでしょうか?
松尾:
理由は2つあります。
一つは、文京区が「学びの街」であり、真剣に学習に取り組む学生や社会人の方が多いこと。
もう一つは、「場所を変えて気分転換するため」です。
松尾:
勉強は長期間続くマラソンのようなものです。ずっと同じ部屋では煮詰まってしまうこともあります。近隣に複数のKAKOIがあれば、「今日は別の店舗に行ってみよう」と環境を変えることで、モチベーションを維持しやすくなります。これが私たちの狙いです。
4. 徹底したトラブル対策:「デスク単位」の防犯カメラとデジタルキー
飯島:
セキュリティ面でも、かなり踏み込んだ対策をされているそうですね。
松尾:
はい。一般的な自習室は部屋全体を映すカメラが数台あるだけですが、KAKOIでは「デスク単位(ブース毎)」に防犯カメラを設置しています。
飯島:
デスク単位、ですか?そこまでする理由は?
松尾:
トラブルの多くは、実はデスク周りで起きるからです。
騒音、消しゴムのカス、私物の放置など…。全体カメラの死角で起きる「小さな迷惑行為」が、他の利用者の集中を削いでしまいます。
松尾:
「自分の席も見守られている」という環境は、迷惑行為の強力な抑止力(バリア)になります。さらに、入退室はデジタルキーで厳密に管理しています。
「真面目に勉強する人が、損をしない環境」を守るために、ここには一番コストをかけています。
5. 今後の展望:利用者様へのメッセージ
飯島:
最後に、今後の展望と利用者の方へメッセージをお願いします。
松尾:
おかげさまで現在は7店舗を経営しており、将来的には10店舗体制を目指し、より通いやすい環境を作っていきます。
松尾:
KAKOIの主役は、目標に向かって努力されている利用者の皆様です。
「ここに来れば集中できる」「合格できた」と言っていただけるよう、皆様の声を取り入れながら、静かで安全な最強の学習空間を追求し続けていきます。


